
AIをめぐる動きが、SNS向け生成AI機能、AIデータセンター向けCPU、製造現場のフィジカルAI基盤へと広がっています。
今回は、Metaの画像生成モデル「Muse Image」、PerplexityによるNVIDIA新型CPU「Vera」採用、国内ロボット大手3社によるVTLAデータセット構築を整理します。
💾 トピック1:Perplexity、NVIDIAのAIデータセンター向け新CPU「Vera」を採用へ
AI新興企業Perplexityは、NVIDIAが開発したAIデータセンター向けCPU「Vera」を採用する方針を明らかにしました。NVIDIAは、AI企業が独自半導体の開発を進める中で売上の多角化を狙っており、Veraの販売で2027年1月期末までに200億ドルの収入を見込んでいます。
Perplexityの担当者は、VeraがAIエージェントのコーディングタスクを従来CPUより約1.5倍速く実行したと説明しています。NVIDIAはこれまでに、OpenAI、Anthropic、Oracleも同社CPUを採用する予定だと公表しています。AIインフラ競争はGPUだけでなく、CPUを含めたデータセンター全体の最適化へ広がっています。
🛠️ トピック2:Meta、画像生成AI「Muse Image」を提供開始
Metaは、AI研究開発部門「Meta Superintelligence Labs」が開発した初の画像生成モデル「Muse Image」の提供を開始すると発表しました。Muse Imageは対話型AI「Meta AI」に統合され、複雑なプロンプトの解釈、写真入力の処理、生成画像へのスケッチや注釈による直接編集に対応します。
Instagram Stories向けには30種類以上の新しいAIエフェクトを提供し、WhatsApp上のMeta AIとの個別チャットでも画像生成が可能になります。当初は一部の国・地域限定で提供され、今後はFacebookやMessengerにも統合する計画です。基本利用は無料ですが、追加の創作機能は有料サブスクリプションで提供されます。MetaはSNSやメッセージングアプリの利用導線に生成AIを組み込み、日常的な創作体験を拡張しようとしています。
🤖 トピック3:国内ロボット大手3社、フィジカルAI向けデータセット構築で連携
川崎重工業、大阪大学、ファナック、FingerVision、安川電機は、製造現場で収集した視覚・触覚・言語・動作データを統合する「VTLAモデル」向けデータセット構築プロジェクトが、経済産業省・NEDOのAI研究プロジェクト「GENIAC」に採択されたと発表しました。実施期間は2026年8月から2027年7月までの1年間です。
プロジェクトでは、川崎重工業、ファナック、安川電機の国内ロボット大手3社が、データ仕様や収集基盤を共通化します。対象タスクには、キッティング、柔軟物把持、コネクタ嵌合などが含まれ、約1万8000時間の画像・触覚・ロボット動作データを収集し、約5000時間分の処理済みデータとして整備する計画です。フィジカルAIの実装では、モデルだけでなく、現場で使える共通データ基盤が競争力の土台になります。
✍️ 編集後記
今回の3本に共通しているのは、AIが「画面上の生成」から「データセンターと現実世界の実装」へ広がっていることです。MetaはSNSやメッセージングアプリに画像生成を組み込み、PerplexityはAIエージェント処理を支えるCPUを採用し、国内ロボット大手は製造現場の視覚・触覚・動作データを共通化しようとしています。
AIの価値は、モデルの性能だけでは決まりません。ユーザーが自然に使えるアプリ導線、AI処理を高速化するインフラ、ロボットが実世界で動くためのデータ基盤が必要になります。今後のAI競争は、生成AIサービス、データセンター、フィジカルAIをつなぐ総合的な実装力が問われていきそうです。
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